環境コンサル(VOC規制への対策)
VOCとは?
VOCとは、Volatile Organic Compounds 揮発性有機化合物の略語で、常温常圧で蒸発し空気中に容易に揮発する有機化合物質の総称です。
このVOCは、難分解性であることが多いため浸透して土壌や地下水を汚染したり、大気中に放出されると光化学反応によってオキシダントやSPM(浮遊粒子状物質)の発生源として関与していると考えられ、VOCを原因とする大気汚染での人体に及ぼす影響が懸念されています。
VOC規制の対象となる施設
VOC規制の対象となる施設は、6施設に分類されます。
- 1. 塗装関係施設(例:塗装ブース)
- 2. 接着関係施設(例:接着剤のロールコーターの乾燥施設)
- 3. 印刷関係施設(例:グラビア印刷)
- 4. 化学製品製造関係施設(例:樹脂乾燥機)
- 5. 工業用洗浄関係施設(例:洗浄槽)
- 6. VOCの貯蔵関係施設(例:固定屋根式タンク)
規制対象となるVOC排出施設とその排出基準は下表のとおりです。
揮性有機化合物排出施設 | 規模要件 | 排出基準 | |
---|---|---|---|
揮発性有機化合物を溶剤として使用する化学製品の製造の用に供する乾燥施設 | 送風機の送風能力が 3,000m3 /時以上のもの | 600ppmC | |
塗装施設(吹付塗装に限る。) | 排風機の排風能力が100,000m3 /時以上のもの | 自動車の製造の用に供するもの | 既設700ppmC 新設400ppmC |
その他のもの | 700ppmC | ||
塗装の用に供する乾燥施設(吹付塗装及び電着塗装に係わるものを除く。) | 送風機の送風能力が10,000m3/時以上のもの | 木材・木製品(家具を含む。)の製造の用に供するもの | 1,000ppmC |
その他のもの | 600ppmC | ||
印刷回路用銅張積層板、粘着テ-プ・粘着シ-ト、はく離紙又は包装材料(合成樹脂を積層するものに限る。)の製造に係る接着の用に供する乾燥施設 | 送風機の送風能力が5,000m3/時以上のもの | 1,400ppmC | |
接着の用に供する乾燥施設(前項に掲げるもの及び木材・木製品(家具を含む。)の製造の用に供するものを除く。) | 送風機の送風能力が15,000m3/時以上のもの | 1,400ppmC | |
印刷の用に供する乾燥施設(オフセット輪転印刷に係るものに限る。) | 送風機の送風能力が7,000m3/時以上のもの | 400ppmC | |
印刷の用に供する乾燥施設(グラビア印刷に係るものに限る。) | 送風機の送風能力が27,000m3/時以上のもの | 700ppmC | |
工業製品の洗浄施設(乾燥施設を含む。) | 洗浄剤が空気に接する面の面積が5m2以上のもの | 400ppmC | |
ガソリン、原油、ナフサその他の温度37.8度において蒸気圧が20キロパスカルを超える揮発性有機化合物の貯蔵タンク(密閉性及び浮屋根式(内部浮屋根式を含む。)のものを除く。) | 1,000kl以上のもの (ただし、既設の貯蔵タンクは、容量が2.000kl以上のものについて排出基準を適用する。) |
60,000ppmC |
- 注1)「送風機の送風能力」が規模の指標となっている施設で、送風機がない場合は、排風機の排風能力を規模の指標とする。
- 注2)「乾燥施設」はVOCを蒸発させるためのもの、「洗浄施設」はVOCを洗浄剤として用いるものに限る。
- 注3)「ppmC」とは、排出濃度を示す単位で、炭素換算の容量比百分率である。
規制の対象となる施設の設置届出等について
VOC規制の対象となる施設の設置や構造等の変更の際には、自治体への届出が義務付けられています。
環境コンサル
以上のようなVOC規制に対しては様々な対策がとられています。
そして対策に対する評価も正しく行われなければ意味がありません。
具体的な対策の流れ
- 排出基準のいずれかに該当するのか?どの規制基準を目標にするのか?など実際の排出状態の測定や、法令等の調査を行います。
- 測定された排出状態の結果や運転時間やパターン等を考慮し、対策しなければならない装置等の計画をします。
- 実際の対策装置の設計、製造、施工さらには付帯設備等の設計、製造、施工します。
- 装置の試運転→本稼働で対策措置の評価を行います。(風量調査、排出ガス濃度測定等)
- 関係各所への書類の作成、報告を行います。
そして、これらに対しては継続した対策が求められ都度(年次ごとなど)書類作成、報告が必要となっています。
システム環境(株)では各地域に合わせた対策方法、お客様に合わせた処理装置の計画から運転とその後のメンテナンスや 書類作成まで、様々なノウハウをご提供します。
VOC規制による対策でお悩みの時は是非ご連絡下さい。